土づくりと土壌改良の基本

よい作物はよい土から。団粒構造・土壌pH・有機物の働きなど、栽培の土台となる土づくりの基本を整理します。

よい土とは — 団粒構造

作物がよく育つ土は、大小さまざまな土の粒がほどよく固まり、その間に適度なすき間がある「団粒構造」をもっています。この構造があると、水はけと水もちが両立し、空気(酸素)も根に届くため、根が健全に張ることができます。堆肥などの有機物と、土壌生物のはたらきによって団粒構造は発達します。

土壌pHを整える

土壌の酸性・アルカリ性の程度を示すのがpHです。多くの野菜はpH六・〇〜六・五程度の弱酸性を好みます。日本は雨が多く土壌が酸性に傾きやすいため、作付け前に苦土石灰などで酸度を矯正するのが一般的です。ホウレンソウのように酸性に特に弱い作物では、この調整が生育を大きく左右します。一方で、pHが適正範囲を外れると、土壌中に養分があっても根が吸えなくなる「養分の不可給化」が起こります。

有機物と堆肥の役割

完熟堆肥や有機物の施用は、団粒構造の形成を促し、保肥力(養分を保つ力)を高め、土壌微生物のすみかと栄養を供給します。ただし、未熟な堆肥は土の中で分解が進む際に窒素を奪ったり(窒素飢餓)、ガスや熱で根を傷めたりするため、よく完熟したものを使うことが重要です。

深く耕すことの意味

ダイコンやニンジンのような根菜では、土中に石や未熟な有機物などの障害物があると、根が分かれる「又根」の原因になります。深く耕して障害物を取り除き、土をやわらかくしておくことが、まっすぐ形のよい根を育てる土台になります。

土づくりは一年で完成するものではなく、堆肥の施用と輪作を続けるなかで少しずつ育てていくものです。すべての栽培技術は、健全な土という土台の上に成り立っています。

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