サツマイモの栽培Q&A・解説
サツマイモはヒルガオ科に分類される野菜です。このページでは、サツマイモに関する全12問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。土壌・施肥管理・播種・育苗・整枝・仕立て・病害対策・害虫対策など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
サツマイモとは — 栽培の基礎知識
サツマイモは中南米を原産とするヒルガオ科の作物で、地下部の根が肥大した塊根を食用にします。やせ地でもよく育ち、干ばつにも比較的強いことから、江戸時代には飢饉を救う救荒作物として全国に広まりました。青木昆陽による普及の逸話でも知られています。
栽培は種いもから伸ばしたつる(苗)を植え付ける方法が一般的です。窒素肥料が多すぎると、つるや葉ばかりが茂っていもが太らないつるボケになるため、やせ気味の畑でむしろ良いいもがとれます。生育途中でつるから出た不定根がいもにならないよう、つる返しを行うこともあります。
基腐病・立枯病・ネコブセンチュウや、コガネムシ幼虫・ハスモンヨトウなどが主な障害です。収穫後はキュアリング処理と適切な温度貯蔵で甘みが増し、長期保存が可能になります。以下のQ&Aで、苗づくり・つるボケ対策・収穫・貯蔵まで確認できます。
土壌・施肥管理
Q1.サツマイモで窒素肥料が多すぎたときに起こりやすい問題はどれですか。
- 茎葉ばかり茂っていもがつきにくい「つるぼけ」
- いもばかりが極端に大きくなりすぎる
- 葉がすべて白く枯れて落ちてしまう
- 根がまったく出なくなってしまう
解説窒素が多すぎると、つるや葉ばかり茂っていもの肥大が悪い「つるぼけ」になります。サツマイモはやせ地でもよく育つため、窒素は控えめにします。
播種・育苗
Q2.サツマイモの一般的な植え付け方法はどれですか。
- つるから切り取った苗(つる苗)を畝に挿す
- 球根を一定間隔で土に埋める
- 種を一粒ずつ直まきする
- 接ぎ木した苗を植える
解説サツマイモはつるを切り取った「つる苗(さし苗)」を畝に挿して植えます。挿した節から根が出て、その先が肥大していもになります。
整枝・仕立て
Q3.サツマイモの「つる返し」を行う主な目的はどれですか。
- 節から出る不定根を抑え、いもの肥大に集中させる
- つるをすべて切り落として枯らしてしまう
- 花を多く咲かせて種をとるようにする
- 葉を増やして地面に日陰をつくる
解説伸びたつるの節が地面に触れると不定根が出て養分が分散します。つる返しでこれを抑え、株元のいもの肥大に養分を集中させます。
病害対策
Q4.近年サツマイモで問題となり、株が枯れていもが腐敗する病害はどれですか。
- 基腐病(もとぐされびょう)
- うどんこ病
- 青枯病
- つる割病
解説基腐病は近年各地で問題となっている病害で、茎の地際が腐り株が枯れ、いもも腐敗します。健全な苗の使用や排水改善、輪作などで対策します。
害虫対策
Q5.サツマイモのいもを土の中で食害する害虫はどれですか。
- コガネムシ類の幼虫やネコブセンチュウ
- 花の蜜を集めるミツバチ
- 水面を泳ぐアメンボの仲間
- 葉を食べるテントウムシ
解説コガネムシ類の幼虫やネコブセンチュウは土中でいもを食害し、品質を落とします。連作を避ける、対抗植物を利用するなどで被害を抑えます。
収穫・品質管理
Q6.サツマイモの収穫時期として適切なのはどれですか。
- 気温が下がる秋、霜が降りる前に掘り上げる
- 梅雨入り前の初夏に掘り上げる
- 真冬に土が凍ってから掘り上げる
- 花が咲いた直後に掘り上げる
解説サツマイモは秋、気温が下がってくる頃に収穫します。低温に弱く、霜にあたると傷むため、霜が降りる前に掘り上げるのが基本です。
温度・環境管理
Q7.サツマイモの生育の特徴として正しいのはどれですか。
- 高温を好み、やせ地や乾燥にも比較的強い
- 冷涼を好み、夏は生育が止まる
- 霜に強く真冬によく育つ
- 日照のない環境を好む
解説サツマイモは高温を好み、やせ地や乾燥にも比較的強い作物です。低温に弱いため、十分に暖かくなってから植え付けます。
食品・栄養特性
Q8.サツマイモを加熱するとより甘くなる理由として正しいのはどれですか。
- でんぷんが酵素で糖(麦芽糖)に変わるため
- 果汁の酸味が抜けて甘く感じられるため
- 水分が増えてみずみずしくなるため
- 塩分が抜けて甘く感じられるため
解説サツマイモはゆっくり加熱するとアミラーゼなどの酵素が働き、でんぷんが麦芽糖に分解されて甘くなります。焼き芋が甘いのはこのためです。
Q9.オレンジ色の果肉をもつサツマイモに多く含まれる成分はどれですか。
- β-カロテン
- カフェイン
- シュウ酸
- アリシン
解説オレンジ色の果肉のサツマイモにはβ-カロテンが多く含まれます。サツマイモは食物繊維やビタミンCなども含む栄養価の高い作物です。
加工・利用方法
Q10.サツマイモの貯蔵で注意すべき点として正しいのはどれですか。
- 低温障害を受けやすいので冷蔵庫には入れない
- 氷点下で凍らせると長持ちする
- 水につけたまま保存するとよい
- 直射日光に当て続けると甘くなる
解説サツマイモは低温(おおむね10℃以下)で傷む低温障害を受けやすく、冷蔵庫での保存は不向きです。13℃前後の涼しい場所で貯蔵します。
Q11.収穫したサツマイモを「キュアリング」する目的として正しいのはどれですか。
- 傷口をふさいで腐敗を防ぎ、貯蔵性を高める
- いもを急速に乾かして軽くする
- 皮の色を濃く着色させる
- 種子を熟させる
解説キュアリングは高温多湿の条件で一定期間おき、収穫時の傷口をコルク化させて治す処理です。腐敗を防ぎ、貯蔵性と甘みを高めます。
植物生理・基礎
Q12.サツマイモの分類・食用部分として正しいのはどれですか。
- ヒルガオ科で、肥大した根(塊根)を食べる
- イネ科で、子実を製粉して食べる
- ナス科で、地下の茎(塊茎)を食べる
- マメ科で、莢の豆を食べる
解説サツマイモはヒルガオ科のつる性作物で、肥大した根(塊根)を食用にします。ジャガイモ(ナス科の塊茎)とは分類も食用部分も異なります。