ダイズ(大豆)の栽培Q&A・解説
ダイズ(大豆)はマメ科に分類される作物です。このページでは、ダイズ(大豆)に関する全18問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。土壌・施肥管理・播種・育苗・整枝・仕立て・かん水・養水分管理・病害対策など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
ダイズ(大豆)とは — 栽培の基礎知識
ダイズは東アジア原産のマメ科作物で、畑の肉と呼ばれるほど良質なタンパク質と脂質に富み、味噌・醤油・豆腐・納豆など日本の伝統的な食文化を支えてきた極めて重要な作物です。完熟した種子を利用する点でエダマメ(未成熟の若採り)と区別されます。
マメ科の特徴として根に根粒菌が共生し空気中の窒素を固定するため、窒素肥料は控えめにします。むしろ土壌を肥沃にする効果があり、水田転換畑での作付けや、地力維持を兼ねた輪作作物として重要な役割を担います。開花期の水分不足は落莢や実入り不良に直結するため注意が必要です。
ダイズシストセンチュウ・紫斑病・べと病や、カメムシ類・マメシンクイガ・ハスモンヨトウなどが主な障害です。以下のQ&Aで、播種・根粒菌・開花結莢期の管理・病害虫・収穫まで、ダイズ栽培の要点を体系的に確認できます。
土壌・施肥管理
Q1.ダイズで窒素肥料を比較的少なくできる理由はどれですか。
- 根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定するため
- 窒素をまったく必要としないため
- 葉から窒素を直接吸収するため
- 根が窒素を分解して捨てるため
解説ダイズはマメ科で、根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定して利用します。窒素過多は茎葉が茂りすぎ、倒伏や着莢不良を招くことがあります。
播種・育苗
Q2.ダイズ栽培で行う「中耕・培土」の主な目的はどれですか。
- 除草と排水を助け、倒伏を防いで生育を安定させる
- 茂った葉をすべて摘み取って落とすため
- 花がいっさい咲かないようにするため
- 種子がまったくできないようにするため
解説中耕・培土は株元の土を耕して寄せる作業で、除草や排水の改善、根張りの促進、倒伏防止などの効果があります。
Q3.ダイズ(普通栽培)の播種時期として一般的なのはどれですか。
- 十分に暖かくなった初夏ごろ
- 霜が降りる真冬のころ
- 雪が積もる厳寒のころ
- 秋が深まり冷え込むころ
解説ダイズは高温を好むため、十分に暖かくなった初夏ごろに播種します。地温が低い時期は発芽不良や生育の遅れが起きやすくなります。
整枝・仕立て
Q4.ダイズで本葉が数枚のころに先端を摘む「摘心」の効果はどれですか。
- 分枝を増やし、倒伏を抑えて着莢を高める
- 葉をすべて落として根を太らせる
- 開花を完全に止めて実をつけさせない
- 草丈を一気に伸ばして高くする
解説摘心(摘芯)は主茎の先端を摘む作業で、わき芽の分枝を増やし、草丈を抑えて倒伏を防ぎ、着莢数を増やす効果が期待できます。
かん水・養水分管理
Q5.ダイズで水分が特に重要で、不足すると落花・落莢しやすい時期はどれですか。
- 開花から莢が実る結莢期
- 発芽する前の種子の時期
- 葉がすべて落ちた収穫後
- 子実が乾いて固まった後
解説開花から結莢期は水分要求が大きく、この時期の乾燥は落花・落莢や子実の充実不足を招きます。適切なかん水が収量を左右します。
病害対策
Q6.ダイズの子実に紫色の斑点を生じ、外観品質を損なう病害はどれですか。
- 紫斑病
- 青枯病
- 根こぶ病
- うどんこ病
解説紫斑病は糸状菌による病害で、子実の表面に紫色の斑点を生じます。種子伝染もするため、健全な種子の使用や適期防除が予防になります。
Q7.ダイズの葉に発生し、葉裏にカビを生じて葉を枯らす病害はどれですか。
- べと病
- 根こぶ病
- 青枯病
- そうか病
解説べと病は葉に淡い病斑を生じ、葉裏にカビ(胞子)をつくって葉を枯らします。多湿で広がるため、風通しの確保や適期防除が大切です。
害虫対策
Q8.ダイズの子実を吸汁し、品質を低下させる代表的な害虫はどれですか。
- カメムシ類
- ミツバチ
- テントウムシ
- アメンボ
解説カメムシ類はダイズの子実を吸汁し、しわ・変色などを生じさせて品質を下げます。発生時期の把握と適期防除が重要です。
Q9.ダイズの葉を食い荒らす代表的な害虫はどれですか。
- 葉を食べるハスモンヨトウの幼虫
- 花の蜜を集めるミツバチ
- 水面を泳ぐアメンボの仲間
- 土を豊かにするミミズ
解説ハスモンヨトウなどの幼虫はダイズの葉を激しく食害し、葉が網目状になることもあります。発生初期の若齢幼虫のうちに防除するのが効果的です。
収穫・品質管理
Q10.ダイズ(完熟子実)の収穫適期として正しいのはどれですか。
- 葉が落ち、莢が褐色に乾いて子実が完熟した頃
- 莢が緑色で豆がまだ柔らかい頃
- 花が咲いた直後
- 発芽した直後
解説完熟子実を収穫するダイズは、葉が落ちて莢が褐色に乾き、子実が硬く締まった頃が収穫適期です。乾燥後にコンバイン等で収穫・調製します。
食品・栄養特性
Q11.ダイズの加工品の組み合わせとして正しいのはどれですか。
- 豆腐・味噌・醤油・納豆・豆乳など
- パン・うどん・パスタなど
- ジャム・ゼリー・砂糖など
- かつお節・煮干し・昆布など
解説ダイズは豆腐・味噌・醤油・納豆・豆乳・大豆油など多くの加工品の原料になります。日本の食文化を支える重要な作物です。
Q12.ダイズの栄養・利用の特徴として正しいのはどれですか。
- たんぱく質と脂質を多く含み、食用油の原料にもなる
- ほとんど水分だけで栄養はほとんどない
- 糖質だけでできていて他の成分はない
- 脂質をまったく含まない作物である
解説ダイズはたんぱく質と脂質を豊富に含み、大豆油の原料にもなります。良質な植物性たんぱく源として食品・加工の両面で重要です。
Q13.日本のダイズの供給に関する説明として正しいのはどれですか。
- 消費量の多くを輸入に頼り、自給率は低い
- ほぼ100%を国内生産でまかなっている
- まったく輸入せず輸出だけしている
- 国内ではいっさい栽培されていない
解説日本のダイズは消費量の多くを輸入に頼っており、自給率は低い状況です。国産は主に食品用(豆腐・納豆など)として需要があります。
後作・輪作適性
Q14.ダイズが水田の転作作物として広く作られる理由として正しいのはどれですか。
- 土地利用型の畑作物で、水田の活用や輪作に向くため
- 水をためた湛水状態でしか育たないため
- 施設の中でしか栽培ができないため
- 一年中いつでも収穫することができるため
解説ダイズは土地利用型の畑作物で、水田の転作作物として広く栽培されます。イネとの輪作は土壌や病害虫の面でも利点があります。
Q15.ダイズで連作を避けることが勧められる主な理由はどれですか。
- 土壌病害やセンチュウの被害が増えやすいため
- 連作で豆が甘くなりすぎてしまうため
- 連作で土壌pHが急に上がってしまうため
- 連作で莢が地中にできてしまうため
解説ダイズの連作は土壌病害やセンチュウ(線虫)の被害を増やしやすくします。2〜3年の輪作で被害を抑えるのが基本です。
植物生理・基礎
Q16.ダイズ(大豆)の分類・特徴として正しいのはどれですか。
- マメ科の作物で、完熟子実を使い「畑の肉」と呼ばれる
- イネ科の作物で、子実を製粉して利用する
- アブラナ科の作物で、主に葉を食べる
- ナス科の作物で、果実を食べて利用する
解説ダイズはマメ科の作物で、たんぱく質と脂質に富む完熟子実を利用します。栄養価が高く「畑の肉」とも呼ばれます。
Q17.ダイズと枝豆の関係として正しいのはどれですか。
- 枝豆は同じダイズを未熟な莢のうちに収穫したものである
- 枝豆とダイズはまったく別の科の植物である
- 枝豆はダイズの根を食べたものである
- 枝豆はダイズの花を食べたものである
解説枝豆は同じダイズを、子実が未熟で緑色の段階に収穫した野菜としての利用です。完熟させて乾燥子実にしたものが大豆として流通します。
Q18.ダイズの開花に影響する主な環境要因はどれですか。
- 日長(昼夜の長さ)に反応して花芽をつける
- 土の色の濃さに反応して開花する
- 風の強さに反応して開花する
- 音の大きさに反応して開花する
解説ダイズは短日性で、夜の長さが一定以上になると花芽をつけます。品種により日長への反応が異なり、地域に合った品種選びが重要です。