ライムギの栽培Q&A・解説
ライムギはイネ科に分類される緑肥作物です。このページでは、ライムギに関する全12問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。緑肥・被覆作物など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
Q1.ライムギ(ライ麦)の植物分類として正しいものはどれか?
- マメ科の越年草で根粒菌と共生する作物
- イネ科の越年草で麦類に属する作物
- アブラナ科の一年草でくん蒸効果をもつ作物
- キク科の多年草で地下茎で広がる作物
解説ライムギはイネ科(麦類)の越年草です。秋播きで越冬し、緑肥や被覆作物として広く利用されます。
Q2.ライムギの耐寒性に関する説明として正しいものはどれか?
- 耐寒性が極めて高く、寒冷地や痩せ地でも育ちやすい
- 耐寒性が低く、軽い霜でも必ず枯死する
- 高温乾燥を好み、寒冷地ではまったく育たない
- 冬の低温がないと一切発芽できない
解説ライムギは麦類の中でも耐寒性が非常に高く、寒冷地や肥沃でない土壌でも生育しやすいため、冬期の被覆・緑肥に適しています。
Q3.ライムギを緑肥に用いる際の根系の特徴として正しいものはどれか?
- 根がほとんど発達せず地表近くにとどまる
- つる性で他の植物に巻きついて伸びる
- 根が深く発達し、土壌の物理性改善に役立つ
- 根が水中にのみ伸び乾いた畑では育たない
解説ライムギは根系がよく発達し深く伸びるため、土壌をほぐして排水性・通気性を高めるなど物理性の改善に役立ちます。
Q4.イネ科であるライムギを緑肥として漉き込んだ場合の養分面の特徴はどれか?
- 根粒菌と共生して大量の窒素を固定し供給する
- C/N比が高く、分解時に一時的な窒素飢餓を招きやすい
- C/N比が極端に低く分解後すぐに窒素過剰になる
- 漉き込むと土壌の窒素を一切変化させない
解説ライムギはイネ科でC/N比が高いため、漉き込むと微生物が分解時に土壌窒素を消費し、後作初期に窒素飢餓が起こりやすくなります。
Q5.ライムギに窒素固定能力があるかについて正しい説明はどれか?
- マメ科以上に強い窒素固定能力をもつ
- 葉から窒素ガスを直接固定する能力をもつ
- イネ科のため窒素固定能力はもたない
- 夜間にのみ窒素を固定する能力をもつ
解説ライムギはイネ科であり根粒菌と共生しないため、窒素固定能力はありません。主な効果は有機物補給と土壌物理性の改善です。
Q6.ライムギを越冬利用する場合の一般的な播種時期はどれか?
- 9〜11月ごろの秋播き
- 1〜2月ごろの厳寒期播き
- 4〜5月ごろの春播き専用
- 7〜8月ごろの盛夏播き
解説越冬利用では秋(9〜11月ごろ)に播きます。秋に発芽・定着して越冬し、春に旺盛に生育して大量の有機物を確保します。
Q7.ライムギを被覆作物として用いる主な効果はどれか?
- 果実の糖度を直接高める養分の葉面供給
- 地温を真夏でも常時10℃以下に保つ冷却
- 土壌pHを酸性側に大きく下げる作用
- 地表被覆による雑草抑制と土壌侵食・風食の防止
解説ライムギは生育が旺盛で地表を密に覆うため、雑草抑制や雨・風による土壌侵食(風食)の防止に効果があります。
Q8.ライムギが雑草を抑える働きに関係するものはどれか?
- 旺盛な被覆と、他感作用(アレロパシー)による発芽抑制
- 根から強アルカリを出して土壌pHを上げる作用
- 高温の発酵熱で雑草の種子を焼く作用
- 土壌の水分をすべて奪い圃場を乾燥させる作用
解説ライムギは旺盛に繁茂して地表を覆うほか、アレロパシー(他感作用)物質により雑草の発芽・生育を抑える効果が知られています。
Q9.ライムギを漉き込んでから後作の作付けまで期間を置くことが推奨される主な理由はどれか?
- 種子が完全に発芽するまで待つ必要があるため
- C/N比が高く、分解と窒素飢餓の解消に時間がかかるため
- 漉き込み後に地温が60℃を超えて危険なため
- 土壌が強アルカリ化するのを中和するため
解説イネ科で C/N比が高いライムギは分解に時間がかかり、その間に窒素飢餓が起こります。一般に漉き込み後2〜4週間ほど期間を置いてから作付けします。
Q10.砂質で風による飛散が起こりやすい畑でライムギを利用する利点はどれか?
- 根と地上部で土を抑え、風による表土の飛散を防げる
- 根がないため耕うんが極端に楽になる
- 葉が砂を吸収して圃場の砂を減らせる
- 強風時に株ごと飛んで畑の外へ砂を運ぶ
解説ライムギは根系と旺盛な地上部で土壌を抑えるため、砂質地での風食(風による表土の飛散)防止に有効なカバークロップとなります。
Q11.ライムギから大量の有機物(バイオマス)を確保したい場合の管理として適切なのはどれか?
- 発芽直後の幼苗のうちに漉き込む
- 種子が完熟し茎が硬く木質化してから漉き込む
- 出穂前後の繁茂した時期に漉き込む
- 真冬の生育停止期に漉き込む
解説地上部のバイオマスは出穂前後に最大となる一方、登熟が進むと茎が硬くなり分解しにくくなります。繁茂しつつ硬くなりすぎない時期の漉き込みが扱いやすいです。
Q12.ライムギと小麦・大麦を比べたときのライムギの特徴として正しいものはどれか?
- 他の麦類より耐寒性・耐痩せ性が高い傾向がある
- 他の麦類より高温多湿を好み夏に育つ
- 他の麦類と違いマメ科なので窒素を固定する
- 他の麦類と違い根を一切張らずに育つ
解説ライムギは麦類の中でも耐寒性が高く、痩せた土壌でも育ちやすい点が特徴で、寒冷地や条件の厳しい圃場の緑肥・被覆に向きます。