ナシの栽培Q&A・解説
ナシはバラ科に分類される果樹です。このページでは、ナシに関する全18問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。播種・育苗・整枝・仕立て・病害対策・害虫対策・収穫・品質管理など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
播種・育苗
Q1.ナシで人工授粉が広く行われる主な理由はどれですか。
- 自家受粉しにくく、別品種の花粉で受粉させるため
- 果実の種をなくして食べやすくするため
- 冬の落葉を防いで樹を守るため
- 果実をわざと小さく仕上げるため
解説和ナシは自家受粉しにくい(自家不和合性)品種が多く、別品種の花粉を毛ばたきなどでつける人工授粉が広く行われ、確実な着果をねらいます。
Q2.ナシの人工授粉で行うこととして正しいのはどれですか。
- 別品種の花粉を花につけて受粉させる
- 花をすべて摘み取ってしまう
- 葉に水をかけて湿らせる
- 根を切って刺激を与える
解説自家受粉しにくいナシでは、別品種の花粉を毛ばたきや授粉機で花につける人工授粉が広く行われます。訪花昆虫とあわせて確実な結実をねらいます。
整枝・仕立て
Q3.和ナシで広く用いられる「棚仕立て」の利点はどれですか。
- 枝を水平に広げ、作業性や実の管理がしやすくなる
- 果実を地中にならせるようにするため
- 受粉の作業を不要にするため
- 冬でも落葉させないようにするため
解説棚仕立ては枝を水平に誘引する仕立て方で、作業がしやすく、台風などによる被害の軽減や果実・受粉の管理のしやすさといった利点があります。
Q4.ナシで摘果や袋かけを行う目的として正しいのはどれですか。
- 果実の肥大・品質を高め、病害虫から守るため
- 枝の葉の枚数をできるだけ増やすため
- 花の開花の時期を遅らせるため
- 地下の根を太く育てるため
解説摘果で果実の数を整えて肥大・品質を高め、袋かけで病害虫や傷から果実を守ります。いずれも良品生産のための基本管理です。
Q5.ナシの棚仕立てで行う枝の管理として正しいのはどれですか。
- 枝を棚に水平に誘引し、混み合いを整える
- 枝をすべて垂直に立てて伸ばす
- 枝を地面に這わせて放任する
- 枝をすべて切り落として丸坊主にする
解説棚仕立てでは枝を棚に水平に誘引し、日当たり・風通しがよくなるよう混み合った枝を整えます。作業性の向上や品質の安定にもつながります。
病害対策
Q6.ナシの赤星病で、伝染の中間宿主となる植物はどれですか。
- ビャクシン類(カイヅカイブキなど)
- 水田で育てるイネ(稲)
- 畑で育てるダイズ(大豆)
- 畑で育てるジャガイモ
解説赤星病はビャクシン類(カイヅカイブキなど)を中間宿主として伝染します。果樹園の近くにこれらを植えないことが予防につながります。
Q7.ナシの葉や果実に黒い斑点を生じる病害はどれですか。
- 黒星病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説黒星病はナシで重要な病害で、葉や果実、新梢に黒い病斑を生じます。発生源の除去や適期防除で被害を抑えます。
Q8.ナシ(二十世紀など)の葉や果実に黒い斑点を生じる病害はどれですか。
- 黒斑病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説黒斑病は二十世紀などの品種で問題となる病害で、葉・果実に黒い斑点を生じます。抵抗性品種の利用や袋かけ、適期防除で被害を抑えます。
害虫対策
Q9.ナシの果実を吸汁・加害する害虫として代表的なのはどれですか。
- カメムシ類やシンクイムシ類
- ミツバチ
- テントウムシ
- アメンボ
解説カメムシ類は果実を吸汁して変形・変色を起こし、シンクイムシ類は果実内部を食害します。袋かけや適期防除で被害を防ぎます。
Q10.ナシの葉裏について汁を吸い、高温乾燥で多発する害虫はどれですか。
- 葉裏で汁を吸うハダニ類
- 花の蜜を集めるミツバチ
- 水面を泳ぐアメンボの仲間
- 土を豊かにするミミズ
解説ハダニ類は葉裏について汁を吸い、葉がかすれて白っぽくなります。高温乾燥で多発するため、天敵の活用や適期防除で密度を抑えます。
収穫・品質管理
Q11.和ナシと洋ナシの収穫・追熟の違いとして正しいのはどれですか。
- 和ナシは樹上で完熟させ、洋ナシは収穫後に追熟させる
- 和ナシも洋ナシも収穫後に必ず追熟させる
- 和ナシも洋ナシもまったく追熟させない
- 和ナシだけを収穫後に追熟させる
解説和ナシは樹上で食べ頃まで成熟させて収穫します。一方、洋ナシは収穫後に一定期間追熟させることで、独特の香りと柔らかな食感になります。
Q12.和ナシの収穫適期を判断する目安として正しいのはどれですか。
- 果皮の地色が変わり、食味がのった頃
- 花が咲いている真っ最中
- 果実がまだ小さく硬い頃
- 葉がすべて落ちてしまった頃
解説和ナシは果皮の地色の変化や試食による食味、果実の肥大などから収穫適期を判断します。樹上で食べ頃まで成熟させてから収穫します。
温度・環境管理
Q13.ナシで開花期に遅霜(晩霜)にあうと起こりやすい問題はどれですか。
- 花が傷ついて結実不良や変形果になる
- 果実が一気に大きくなって甘くなる
- 葉がすべて濃い緑色に変わってしまう
- 根が地上へ伸び出してきてしまう
解説開花期の遅霜は花を傷め、結実不良や変形果の原因になります。棚仕立てのナスでも晩霜のリスクがあり、送風や散水で凍霜害を防ぎます。
食品・栄養特性
Q14.和ナシ特有のシャリシャリした食感のもとになっているものはどれですか。
- 果肉中の石細胞
- 果皮の油分
- 種子の渋み
- 果汁の酸味
解説和ナシのシャリッとした食感は、果肉に含まれる石細胞によるものです。品種により石細胞の量が異なり、食感の違いになります。
Q15.和ナシの食味の特徴として正しいのはどれですか。
- 果汁が多く、シャリッとした食感と甘みがある
- ねばりが強く餅のような食感である
- 強い酸味と苦みが主体である
- 油分が多くこってりしている
解説和ナシは果汁が多く、石細胞によるシャリッとした食感と、すっきりした甘みが特徴です。水分が多くみずみずしい果物です。
植物生理・基礎
Q16.ナシの分類として正しいのはどれですか。
- バラ科の落葉果樹である
- ミカン科の常緑果樹である
- ウリ科のつる性果菜である
- マメ科の作物である
解説ナシはバラ科の落葉果樹です。日本で広く作られる和ナシ(幸水・豊水など)のほか、洋ナシ(ラ・フランスなど)もあります。
Q17.ナシ園で複数の品種を植えることが多い理由はどれですか。
- 受粉樹として、互いの受粉を確実にするため
- 冬の落葉を防いで樹を保護するため
- 果実をすべて種なしにするため
- 収穫の時期を遅らせるため
解説自家受粉しにくいナシでは、開花期の合う別品種を受粉樹として混植し、相互に受粉させて着果を安定させます。
Q18.ナシの花芽がつきやすい枝として正しいのはどれですか。
- 短く充実した短果枝
- その年に伸びた長い徒長枝
- 枯れ込んだ古い枝
- 地中に伸びた根
解説ナシは短く充実した短果枝に花芽がつきやすい性質があります。せん定では短果枝を活かすように整えると、安定して結実させられます。