ミカンの栽培Q&A・解説
ミカンはミカン科に分類される果樹です。このページでは、ミカンに関する全18問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。整枝・仕立て・かん水・養水分管理・病害対策・害虫対策・収穫・品質管理など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
整枝・仕立て
Q1.ミカンで隔年結果を防ぐために行う管理はどれですか。
- 摘果で着果量を適正にし毎年の負担を平準化する
- 茂った葉をすべて摘み取って落とす
- 実を一切とらずにそのまま残す
- 地下の根を短く切り詰めておく
解説ミカンは隔年結果が出やすいため、なりすぎた年は摘果で着果量を調整します。樹の負担を平準化し、毎年安定した収量・品質をねらいます。
Q2.ミカンのせん定の目的として正しいのはどれですか。
- 日当たりと風通しを確保し、品質を高める
- 枝をすべて切り落として丸坊主にする
- 枝を地面に埋めて根を出させる
- 葉をすべて落として実だけ残す
解説ミカンは常緑果樹で、混み合うと内部の日当たり・風通しが悪くなります。せん定で枝を整理し、着色・糖度・病害対策の面で品質を高めます。
かん水・養水分管理
Q3.ミカンで「マルチ栽培(シート被覆)」により糖度を高めるしくみはどれですか。
- 土壌への過剰な水分を抑え、果実の糖度を高める
- 土を常に湿らせて果実を大きくする
- 葉に直接水を与えて光合成を増やす
- 根を水没させて吸水を促す
解説シートで土壌への雨水の浸入を抑え、適度な水分ストレスを与えることで果実の糖度を高める栽培法です。高品質なミカン生産に用いられます。
Q4.ミカンのかん水管理の考え方として正しいのはどれですか。
- 時期に応じて水を管理し、過湿・極端な乾燥を避ける
- 一年中ずっと根を水につけたままにする
- 水はいっさい与えず乾かし続けておく
- 収穫直前にだけ大量の水を与える
解説ミカンは生育・肥大・成熟の各時期に応じた水管理が重要です。マルチ栽培で適度な水分ストレスを与え糖度を高める一方、過湿や極端な乾燥は避けます。
病害対策
Q5.ミカンで細菌により葉や果実にかさぶた状の病斑を生じる病害はどれですか。
- かいよう病
- 縮葉病
- 根こぶ病
- つる割病
解説かいよう病は細菌による病害で、葉・果実・枝にかさぶた状の病斑を生じます。風雨や傷口から広がるため、防風や適期防除が重要です。
Q6.ミカンの果実に黒い小さな点を多数生じる病害はどれですか。
- 黒点病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説黒点病は果実や葉に黒い小さな点を多数生じ、外観品質を落とします。枯れ枝が発生源になるため、枯れ枝の除去や適期防除が予防になります。
害虫対策
Q7.ミカンの新葉に潜り、白い曲がりくねった食害跡(絵を描いたような跡)を残す害虫はどれですか。
- ミカンハモグリガ(エカキムシ)
- 花の蜜を集めるミツバチ
- アブラムシを食べるテントウムシ
- 水面を泳ぐアメンボ
解説ミカンハモグリガ(通称エカキムシ)の幼虫は新葉に潜り、白く曲がりくねった食害跡を残します。新梢の伸びる時期に被害が出やすくなります。
Q8.ミカンに寄生して排せつ物ですす病を誘発する害虫はどれですか。
- 枝葉に付くカイガラムシ類
- 花の蜜を集めるミツバチ
- 水面を泳ぐアメンボの仲間
- 土を豊かにするミミズ
解説カイガラムシ類やアブラムシの排せつ物(甘露)にカビが生えると、葉や果実が黒くなるすす病を誘発します。害虫防除がすす病の予防にもなります。
収穫・品質管理
Q9.ミカンの収穫の仕方として適切なのはどれですか。
- 着色と酸の落ち具合をみてヘタを短く切って収穫
- 果実が緑色のうちに根ごと引き抜く
- 葉が落葉してしまってから収穫する
- 花が咲いた開花の直後に収穫する
解説ミカンは果実の着色と酸の減り具合(食味)をみて収穫します。果梗(ヘタ)を短く切る「二度切り」で、輸送中に他の果実を傷つけないようにします。
Q10.ミカンの収穫後に行う「予措(よそ)」とは何ですか。
- 数日おいて水分を減らし、貯蔵性を高める
- 収穫後すぐ水に長く浸す
- 収穫前に強く着色させる
- 種子を取り除く作業
解説予措は収穫後に数日間おいて果実の余分な水分を減らす作業で、腐敗を抑えて貯蔵性を高めます。貯蔵ミカンの品質保持に用いられます。
温度・環境管理
Q11.ミカンの栽培適地として正しいのはどれですか。
- 温暖な地域に向き、寒さ(強い低温)に弱い
- 寒冷地であればあるほどよく育つ
- 日照のまったくない環境を好む
- 水をためた水田の中で育てる
解説ミカンは温暖な気候を好む常緑果樹で、強い低温に弱いため西南暖地の海沿いなどが主産地です。冬の寒害に注意が必要です。
Q12.ミカン園で防風対策が重視される理由として正しいのはどれですか。
- 潮風や寒風による枝葉・果実の傷みを防ぐため
- 風で受粉を完全に止めるため
- 風で土を吹き飛ばして客土するため
- 風で果実をすべて落とすため
解説海沿いで栽培されることが多いミカンは、潮風や冬の寒風で枝葉・果実が傷みます。防風林や防風ネットで被害を抑え、品質と樹勢を守ります。
食品・栄養特性
Q13.ミカンの栄養・性質の特徴として正しいのはどれですか。
- ビタミンCを多く含み、冬に出回る常緑果樹である
- ほとんど水分だけで栄養はほとんどない
- 主食として食べられる穀物である
- 油脂を多く含む種実の仲間である
解説ミカンはビタミンCを多く含む果実で、冬の代表的な果物です。常緑果樹であり、温暖地で広く栽培されています。
Q14.ミカンの果実の構造に関する説明として正しいのはどれですか。
- 薄皮(じょうのう)の中に果肉(砂じょう)が詰まる
- 硬い殻の中に大きな種が一つだけ入っている
- 地中にできるいもの部分を食べている
- つぼみの状態の花の部分を食べている
解説ミカンは果実が房に分かれ、薄皮(じょうのう)の中に果肉の粒(砂じょう)が詰まっています。温州ミカンは薄皮ごと食べられます。
植物生理・基礎
Q15.温州ミカンの分類・性質として正しいのはどれですか。
- ミカン科の常緑果樹である
- バラ科の落葉果樹である
- ウリ科のつる性果菜である
- イネ科の一年草である
解説温州ミカンはミカン科の常緑果樹です。冬も葉を落とさず、リンゴやナシなどの落葉果樹とは性質が異なります。
Q16.温州ミカンが種なしで実る性質に関係するのはどれですか。
- 受粉しなくても果実が育つ単為結果性をもつ
- 必ず受粉樹が必要である
- 雄株と雌株に分かれている
- 実が地中にできる
解説温州ミカンは受粉しなくても果実が育つ単為結果性をもち、種なしになりやすい果樹です。このため受粉樹を特に必要としません。
Q17.ミカンで雨が多い年などに起こりやすい、皮が浮いて果皮と果肉が分離する症状はどれですか。
- 浮皮(うきかわ)
- 縮葉
- 根こぶ
- つる割れ
解説浮皮は果皮と果肉の間に隙間ができて皮が浮く症状で、過熟や多雨などで起こりやすくなります。日持ちや食味の低下につながります。
Q18.ミカンの「表年・裏年」とは何を指しますか。
- 豊作の年と不作の年が交互に出ること
- 葉が表と裏で色が違うこと
- 一日で表面だけ着色すること
- 果実が裏返しに育つこと
解説表年(豊作)・裏年(不作)は隔年結果のことで、なりすぎた翌年に花芽が減って不作になる現象です。摘果で着果量を調整して平準化します。