キクの栽培Q&A・解説
キクはキク科に分類される花きです。このページでは、キクに関する全20問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。播種・育苗・整枝・仕立て・病害対策・害虫対策・収穫・品質管理など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
播種・育苗
Q1.キクの繁殖方法として一般的なのはどれですか。
- 挿し芽(さし芽)で増やす
- 球根を植えて増やす
- 接ぎ木で増やす
- 種いもを植えて増やす
解説キクは親株から採った芽を挿す挿し芽(さし芽)で繁殖するのが一般的です。品質のそろった苗を効率よく確保できます。
Q2.キクの挿し芽で良い苗を得るための注意点はどれですか。
- 病気のない健全な親株から芽を採る
- 枯れかけた古い枝から採る
- 病気の出た株から優先して採る
- 根を切った株から採る
解説キクはウイルスなどに侵されていない健全な親株から挿し穂を採ることが重要です。無病の親株管理が、その後の生育と品質を左右します。
整枝・仕立て
Q3.キクの「電照栽培(電照菊)」のしくみとして正しいのはどれですか。
- 夜間に照明を当てて花芽形成を抑え開花を遅らせる
- 昼間に強い光を当てて開花を早める
- 低温にさらして開花を完全に止める
- 水を切って乾かし開花を促す
解説電照栽培は夜間に照明を当てて夜の長さを短く感じさせ、花芽形成を抑えて開花を遅らせる方法です。需要期に合わせた出荷を可能にします。
Q4.キクで遮光(シェード)栽培を行う目的はどれですか。
- 人工的に夜を長くして開花を早める
- 光を増やして葉を茂らせる
- 気温を下げて休眠させる
- 土を乾かして根を張らせる
解説遮光(シェード)栽培は黒い被覆で日中を早く暗くし、夜の長さを長く感じさせて開花を早める方法です。電照とあわせ周年出荷を支えます。
Q5.一輪の大きな花に仕上げる輪ギクで行う作業はどれですか。
- わきのつぼみを摘み、頂部の一輪に養分を集める
- すべてのつぼみを摘まずに残しておく
- 茂った葉を全部摘み取って落とす
- 地下の根を短く切り詰めておく
解説輪ギクは頂部の一輪を大きく咲かせるため、わきのつぼみを摘む摘蕾(ディスバッド)を行います。スプレーギクは逆に摘心して枝数を増やします。
Q6.輪ギクで大輪の花一輪に仕立てるために行う作業はどれですか。
- わきのつぼみを摘み、頂部の一輪に集中させる
- すべてのつぼみを残して咲かせる
- 葉をすべて摘み取ってしまう
- 根を切り詰めて小さくする
解説輪ギクは頂部の一輪を大きく咲かせるため、わきのつぼみを摘む摘蕾(ディスバッド)を行い、養分を一輪に集中させます。
病害対策
Q7.キクの葉に発生し、白い斑点状の盛り上がりを生じる代表的な病害はどれですか。
- 白さび病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説白さび病はキクで重要な病害で、葉裏に白い斑点状の盛り上がりを生じます。多湿で広がるため、風通しの確保や適期防除が大切です。
Q8.キクの葉に褐色の斑点を生じ、広がって葉を枯らす病害はどれですか。
- 褐斑病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説褐斑病は葉に褐色の斑点を生じ、多湿条件で広がって下葉から枯らします。風通しの確保や下葉の整理、適期防除で抑えます。
害虫対策
Q9.キクの新芽やつぼみを加害する代表的な害虫はどれですか。
- アブラムシ類やアザミウマ類
- ミツバチ
- テントウムシ
- アメンボ
解説アブラムシ類やアザミウマ類は新芽・つぼみ・花を加害し、品質を低下させるほかウイルス病を媒介することもあります。早期防除が重要です。
Q10.キクの葉裏について汁を吸い、高温乾燥で多発する害虫はどれですか。
- 葉裏で汁を吸うハダニ類
- 花の蜜を集めるミツバチ
- 水面を泳ぐアメンボの仲間
- 土を豊かにするミミズ
解説ハダニ類は葉裏について汁を吸い、葉をかすれさせて品質を落とします。高温乾燥で多発するため、葉水や適期防除で密度を抑えます。
収穫・品質管理
Q11.切花としてのキクの収穫・品質保持で正しいのはどれですか。
- 切り前で収穫し、水あげ・前処理で日持ちを高める
- 完全にしおれて枯れてから収穫する
- つぼみが見えない若いうちに必ず切る
- 収穫後はよく乾燥させてから出荷する
解説切花は品種・用途に応じた開き具合(切り前)で収穫します。収穫後は速やかに水あげし、品質保持剤などで鮮度・日持ちを高めます。
Q12.切り花のキクを長持ちさせるための収穫後の管理はどれですか。
- 速やかに水あげし、品質保持剤を用いる
- 収穫後しばらく乾燥させてから出す
- 高温の場所に置いて早く開かせる
- 葉を水に長く沈めておく
解説切り花は収穫後すぐに水あげし、品質保持剤(糖や殺菌成分など)を用いると日持ちがよくなります。低温管理も鮮度保持に有効です。
温度・環境管理
Q13.キクの開花時期を人為的にコントロールできるのはなぜですか。
- 日長(夜の長さ)への反応を利用できるため
- 気圧の変化に反応するため
- 土の色に反応するため
- 風の強さに反応するため
解説キクは短日植物で夜の長さに反応して花芽をつくります。電照や遮光で日長を操作することで、開花時期を需要に合わせて調節できます。
Q14.キクの生育に適した気候として正しいのはどれですか。
- 冷涼〜温暖で日当たりのよい環境を好む
- 日照のない暗い環境を最も好む
- 霜の降りる真冬に最もよく育つ
- 高温多湿を最も好む
解説キクは冷涼〜温暖で日当たり・風通しのよい環境を好みます。高温多湿は病害が出やすいため、施設では換気や水管理に注意します。
食品・栄養特性
Q15.食用菊について正しいのはどれですか。
- 刺身のつまやおひたしなどに利用される
- 観賞用と同じで食べると有毒である
- 種子を製粉して主食にする
- 球根を煮て食べる
解説キクには食用に育てられた品種(食用菊)があり、刺身のつまやおひたし、酢の物などに利用されます。観賞用とは別に栽培・流通しています。
植物生理・基礎
Q16.キクの分類・位置づけとして正しいのはどれですか。
- キク科で、日本の代表的な切花の一つ
- ユリ科の球根植物である
- バラ科の落葉果樹である
- イネ科の穀物である
解説キクはキク科で、日本で生産・消費がもっとも多い切花の一つです。仏花や装飾用など幅広く利用されます。
Q17.キクの開花の性質として正しいのはどれですか。
- 夜が長くなると花芽ができる短日植物である
- 夜が短いと花芽ができる長日植物である
- 日長とは無関係に開花する
- 低温でしか発芽しない
解説キクは短日植物で、夜の長さが一定以上になると花芽を形成します。この性質を利用して開花時期を人工的に調節できます。
Q18.キクのタイプ分けとして正しいのはどれですか。
- 輪ギク・スプレーギク・小ギクなどがある
- 雄ギクと雌ギクに分かれる
- 球根ギクと種ギクに分かれる
- 落葉ギクと常緑ギクに分かれる
解説キクは大輪一輪に仕立てる輪ギク、枝分かれして多数咲かせるスプレーギク、花壇向きの小ギクなどに分けられ、仕立て方や用途が異なります。
流通・販売
Q19.キクの需要が特に高まる時期として正しいのはどれですか。
- お盆や彼岸など、仏花の需要が増える時期
- 真夏のレジャーシーズンだけ
- 需要は一年中まったく変わらない
- 需要は新年だけに限られる
解説キクは仏花としての需要が大きく、お盆や彼岸などに需要が高まります。電照・遮光による開花調節で、こうした需要期への計画出荷が行われます。
Q20.キクを一年中安定して出荷できる理由として正しいのはどれですか。
- 電照や遮光で開花時期を調節できるため
- 気温に一切影響を受けないため
- 球根を冷蔵すれば通年咲くため
- 収穫後に何か月も追熟できるため
解説キクは短日植物で、電照(開花を遅らせる)や遮光(開花を早める)で日長を操作できます。これにより需要に合わせた周年出荷が可能になります。