ブドウの栽培Q&A・解説
ブドウはブドウ科に分類される果樹です。このページでは、ブドウに関する全20問を、正解と解説つきの一問一答で整理しています。整枝・仕立て・病害対策・害虫対策・収穫・品質管理・温度・環境管理など、栽培の現場や検定対策で役立つ知識を、読み物として確認できます。
整枝・仕立て
Q1.種なしブドウを作るために広く行われる処理はどれですか。
- ジベレリン(植物ホルモン)処理
- 強い塩水での消毒
- 高温での加熱処理
- 根を切る処理
解説デラウェアや巨峰などの種なし化には、開花期前後にジベレリンで花穂を処理する方法が広く用いられます。種なし化と果粒肥大をねらいます。
Q2.ブドウでジベレリン処理を2回行う場合、2回目の主なねらいはどれですか。
- 果粒を肥大させること
- 落葉を促すこと
- 根を太らせること
- 花を散らすこと
解説1回目(満開期前後)は主に種なし化、2回目(数日〜十数日後)は主に果粒の肥大をねらって行います。品種により時期・濃度が異なります。
Q3.ブドウの摘房・摘粒を行う主な目的はどれですか。
- 房や粒の数を整えて、果実の肥大と品質を高めるため
- 茂った葉をすべて摘み取って落とすため
- 余分な花の開花を完全に止めるため
- 地下の根の本数を増やすため
解説摘房で1樹あたりの房数を、摘粒で1房の粒数を整えます。残した果実に養分を集中させ、大きさ・着色・糖度のそろった房に仕上げます。
Q4.ブドウの仕立て方として一般的なのはどれですか。
- 棚仕立てや垣根仕立てでつるを誘引する
- 地面に這わせて放任する
- 支柱なしで直立させる
- 鉢の中だけで育てる
解説ブドウはつる性のため、棚仕立てや垣根仕立てに誘引して栽培します。日当たりと風通し、作業性を考えて新梢を配置します。
Q5.ブドウの剪定を主に行う時期はどれですか。
- 落葉した休眠期(冬)
- 開花の真っ最中
- 果実の成熟期
- 新梢が伸び始めた直後
解説落葉果樹であるブドウの基本剪定は休眠期(冬)に行います。品種や仕立てに応じて長梢剪定・短梢剪定を使い分けます。
Q6.ブドウの「花穂・房の整形」を行う目的として正しいのはどれですか。
- 房の形と粒数を整え、品質をそろえる
- 葉をすべて落として根を太らせる
- 開花をすべて止めてしまう
- 根の本数を増やす
解説花穂整形や房づくりで、房の形や着粒数を整えます。残した粒に養分を集中させ、大きさや着色のそろった見栄えのよい房に仕上げます。
Q7.ブドウの生育期に行う新梢管理として正しいのはどれですか。
- 新梢を誘引・摘心して日当たりと風通しを保つ
- 新梢をすべて切り落としてしまう
- 新梢を地面に埋めて根を出させる
- 新梢に一切手を加えず放任する
解説伸びた新梢を棚や垣根に誘引し、摘心や整理で混み合いを防ぎます。日当たり・風通しを保つことで、病害の抑制や果実の品質向上につながります。
病害対策
Q8.ブドウで多湿のときに葉などに発生しやすい代表的な病害はどれですか。
- べと病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説べと病は多湿条件で葉裏などに発生し、葉が枯れて光合成が低下します。雨よけや風通しの確保、適期防除で被害を抑えます。
Q9.ブドウの果実が成熟期に腐敗する病害として代表的なのはどれですか。
- 晩腐病
- 縮葉病
- そうか病
- 根こぶ病
解説晩腐病は成熟期の果実を腐敗させる重要病害です。前年の被害枝などが伝染源になるため、剪定枝の処理や適期防除が大切です。
Q10.ブドウの葉や新梢に白い粉状のカビが広がる病害はどれですか。
- うどんこ病
- 青枯病
- 根こぶ病
- つる割病
解説うどんこ病は葉・新梢・果実に白い粉状のカビが広がり、果実の品質を落とします。風通しの確保や適期防除で抑えます。
Q11.ブドウの成熟期に果実が灰色のカビで腐敗する病害はどれですか。
- 灰色かび病
- 縮葉病
- そうか病
- 根こぶ病
解説灰色かび病は多湿条件で花や成熟果に灰色のカビを生じて腐敗させます。雨よけや風通しの確保、傷をつけない管理が予防になります。
害虫対策
Q12.ブドウの根や葉を加害する害虫として挙げられるのはどれですか。
- コガネムシ類やハマキムシ類
- ミツバチ
- テントウムシ
- アメンボ
解説コガネムシ類は幼虫が根を、成虫が葉を加害します。ハマキムシ類は葉や果実を加害します。発生に応じた防除を行います。
Q13.ブドウの成熟果に集まり食害する生き物として注意されるのはどれですか。
- スズメバチや鳥などの食害
- 花の蜜を集めるミツバチ
- 水面を泳ぐアメンボの仲間
- 土を豊かにするミミズ
解説甘く色づいた成熟果には、スズメバチや鳥が集まって食害することがあります。袋かけや傘かけ、防鳥ネットなどで被害を防ぎます。
収穫・品質管理
Q14.ブドウの収穫適期の判断として正しいのはどれですか。
- 着色と糖度が十分に進んだ頃に収穫する
- 緑色のうちに収穫して追熟で甘くする
- 葉が落葉してしまってから収穫する
- 花が咲いた開花直後に収穫する
解説ブドウは収穫後に糖度が上がらないため、樹上で着色・糖度が十分に進んでから収穫します。試食や糖度計で適期を判断します。
Q15.ブドウの成熟期に多雨が続くと起こりやすい問題はどれですか。
- 果実が割れる裂果が起きやすい
- 果実が一気に小さくしぼむ
- 葉がすべて濃い緑色になる
- 根が地上に伸び出してくる
解説成熟期に急に多量の水を吸うと、果粒が割れる裂果が起きやすくなります。雨よけ栽培や安定したかん水で土壌水分の急変を防ぎます。
温度・環境管理
Q16.ブドウで「雨よけ栽培」を行う主な利点はどれですか。
- 病害や裂果を減らし、品質を安定させる
- 雨水だけで無灌水栽培ができる
- 日光をさえぎって着色を止める
- 気温を真夏でも10℃以下に保つ
解説ブドウは雨に当たると病害(べと病・晩腐病など)や成熟期の裂果が増えます。屋根で雨を防ぐ雨よけ栽培により、これらを減らして品質を安定させます。
食品・栄養特性
Q17.近年人気の皮ごと食べられる種なしブドウの代表品種はどれですか。
- シャインマスカット
- コシヒカリ
- ふじ
- 幸水
解説シャインマスカットは皮ごと食べられ、種なしで糖度が高い人気品種です(コシヒカリは米、ふじはリンゴ、幸水はナシの品種)。
Q18.ブドウの用途に関する説明として正しいのはどれですか。
- 生食用とワインなどの醸造用がある
- 主食用の穀物として栽培される
- 食用油をしぼる原料が主である
- 家畜の飼料専用の作物である
解説ブドウには生食用のほか、ワインなどの醸造用、干しぶどう用などの用途があります。用途に合わせて品種や栽培方法が選ばれます。
植物生理・基礎
Q19.ブドウの分類・性質として正しいのはどれですか。
- ブドウ科の落葉果樹で、つる性に生育する
- ミカン科の常緑果樹である
- アブラナ科の葉物である
- イネ科の一年草である
解説ブドウはブドウ科の落葉果樹で、つる性に伸びます。棚や垣根に誘引して栽培します。
Q20.ブドウの受粉について、多くの栽培品種にあてはまるのはどれですか。
- 自家結実性があり、受粉樹がなくても実りやすい
- 必ず受粉樹がないとまったく実らない
- 雄株と雌株に分かれている
- 受粉せず地中で実る
解説ブドウの多くの栽培品種は自家結実性があり、1品種でも実ります。ジベレリン処理による種なし化や果粒肥大とあわせて管理されます。